02.いらない土地買います ■
2002.7.25/弁護士 澤田有紀
Bさんは30年ほど前に、定年退職後は故郷に帰ろうかと田舎の別荘分譲地を購入していましたが、放置していたため雑木雑草が生え、付近に家もなく荒れ放題になってしまい、使い道のないまま放っていました。
すると、ある日、資材置き場が欲しいので、この土地を含めて周囲の土地を買収しているという男がBさんの家にやってきました。聞けば500万円で買うということで、決済も約1ヶ月後に現金一括という話でした。ほとんどこの土地に価値はないと思っていたBさんは、この話に大乗り気でその場で契約書のような書面にサインをしました。しかし、さらに話をきくと隣の土地との境界を明示しなければならないが、現状では雑木や草が生えており、境界がはっきりしないので、公図や測量など境界明示工事が必要であり、早速調査に着手したいと男はいいます。普通なら25万円のところ、周りも買うので半額の12万5000円でいいといいます。さらに、今日は手付けの3万円だけで、残額は500万円の土地代金支払いのときに精算でいいというのです。
男はきちんとネクタイを締めて、ぼくとつとしたしゃべり方でしたので、とても話がうそとも思えず、男の差し出した名刺には立派そうな株式会社名が書いてあり、営業所もたくさん書いてあったので大きな会社なのかと思いました。
Bさんは男のいうままに「請負契約書」とかかれた書面にサインをして、3万円を男に渡しました。
しかし、その後、名刺にかかれた電話番号に電話をしても誰もでません。
Bさんがサインした書面は一見すると立派なハンコが押してあったりして、立派なものですが、よく読むと内容はきわめていい加減で、明らかにまともなものではありません。 ようやくBさんは詐欺にあったと気づいたのでした。 話が大きい割に、詐欺の被害は3万円だけ。なんとも腑に落ちない話です。
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(C)弁護士法人みお綜合法律事務所(大阪弁護士会所属 代表弁護士澤田有紀)